卵巣がん抑制に大きな一歩 – テサロ社、卵巣がん抑制薬の治験で成果

卵巣がん抑制に大きな一歩 – テサロ社、卵巣がん抑制薬の治験で成果

卵巣がん抑制に大きな一歩 – テサロ社、卵巣がん抑制薬の治験で成果

がんを止める薬、まもなく登場です。

▼がんを「止める」新薬創出に大きな一歩
▼販売前の最終的な治験
▼世界での販売承認は今年年末にも

シカゴに拠点を置く創薬バイオベンチャー企業のテサロ社(TESARO, Inc.)は、開発中の卵巣がん抑制薬”Niraparib“が最終的な治験――NOVAと名付けられた第三相臨床試験(フェーズ3)――における主要評価項目(Primary Endpoint)を達成したと発表しました。

これにより株価は数日で二倍近くなり、お祭り騒ぎとなっています。

公式リリースの内容はこちら→”TESARO’S NIRAPARIB SIGNIFICANTLY IMPROVED PROGRESSION-FREE SURVIVAL FOR PATIENTS WITH OVARIAN CANCER IN BOTH COHORTS OF THE PHASE 3 NOVA TRIAL
株価の様子

各メディアも、すぐに報じています。

Forbes “Tesaro Shares Surge 82% Because Drug Slows Ovarian Cancer

WSJ “Tesaro’s Cancer Drug Meets Primary Endpoint in Late-Stage Trial

 

▼がんを「止める」新薬創出に大きな一歩

一体、どんな薬がどのようなテストをパスしたというのでしょうか。

Niraparib“(ニラパリブ)と名付けられたこの薬は、がん細胞を無増悪生存させる薬です。PARP阻害薬と呼ばれる薬の一種で、がん細胞になってしまった細胞を死なせる薬です。

卵巣がんや乳がんにPARP阻害薬~開発進む新機序の分子標的薬」←わかりやすい説明です

Niraparib is an orally active and potent PARP inhibitor being developed for the treatment of ovarian and breast cancer“←「ニラパリブ」の詳しい説明です

そのような薬をこのテサロ社が開発中で、このたび大規模な集団の被験者に対する治験において有意な結果が出たということで、すごく盛り上がってるんです。

 

▼今回の治験、「NOVAと名付けられた第三相臨床試験(フェーズ3)」についてせつめいすると・・・

「第三相臨床試験(フェーズ3)」というのは、1~4まであるClinical Trial Phasesの三段階目のことです。

ClinicalTrials.gov – Clinical Trial Phases

Phase III: The drug or treatment is given to large groups of people to confirm its effectiveness, monitor side effects, compare it to commonly used treatments, and collect information that will allow the drug or treatment to be used safely.

フェーズ1は薬の効果の前に副作用などを確認する初歩的な試験、フェーズ2はある程度の人数の集団に対して、効果を測定してみる試験。フェーズ3はさらに、大きな集団にそれを広げて効果の有無を統計的に判断する試験です。

フェーズ3までパスすると、もう売れるレベルになります。フェーズ4は販売後に広くサンプルをとって効果測定するので、マーケット的にはフェーズ3を超えるか否かが重要。

日本の治験の流れも同じようなものです→wiki参照

 

そして、今回達成された主要評価項目(プライマリーエンドポイント)は、

プライマリーエンドポイントとは臨床試験において目的とする評価項目であり、薬理学的、臨床的に意味のある客観的評価可能な項目が用いられる。――日本薬学会

というもので、薬の効果が明確になったというに等しいです。

 

NOVAトライアルの内容は、TESARO OVARIAN CANCER RESEARCH CENTERの”ABOUT THE NOVA CLINICAL RESEARCH TRIAL“というページで解説されています。

  1. 18歳以上の女性が対象(卵巣がんなので)
  2. BRCAについての遺伝子検査を行うことに同意
  3. 卵巣がん、卵管がんなどと診断されている
  4. DNA検査でがんになりやすい因子をもっている
  5. 2つ以上のセラピーコースを受ける

という条件をクリアした被験者360人以上が被験者となりました。その2/3が実際に服薬し、1/3がプラセボの被験者です。フェーズ3にしては人数が少ないような。。。?

 

現在進行中の創薬試験の内容は、こちらで公開されています。

A Maintenance Study With Niraparib Versus Placebo in Patients With Platinum Sensitive Ovarian Cancer

 

▼世界での販売承認は今年年末にも

米国NDA(New Drug Application)および欧州MAA(Marketing Authorization Application)の認証は、2016年の4Q、つまり10-12月に取得見込み、とあります。

ニラパリブは前立腺がんにも有効で、Janssen Biotech社が前立腺がん向けの創薬特許を世界中でもっているそうですが、日本だけはほかの会社が持っているとのこと。

また、乳がんの抑制も類似の薬になってくるので、西洋医学を使ったこのあたりのがん治療が市場性をもって飛躍的に進歩する状況が整ってきたといえるでしょう。

 

ついに、がんを止められる時代に? 昔、不治の病と言われた結核も、いまやほとんど症例がありません。がんもそうなるのでしょうか。消化器系がん家系の身としては、はやくがんが治る病気になってほしいですね。いや、長生きをしたいわけじゃないんですが。。。

 

Writer: げ

Photo from tesaro’s linkedin page https://www.linkedin.com/company/tesaro

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