モデルナ・セラピューティクスの破壊的イノベーションとは?―mRNAを介して細胞レベルの人体制御

モデルナ・セラピューティクスの破壊的イノベーションとは?―mRNAを介して細胞レベルの人体制御

モデルナ・セラピューティクスの破壊的イノベーションとは?―mRNAを介して細胞レベルの人体制御

先日、CLEANTECH JAPAN OPENというイベントで講演していたドリームインキュベータの竹内氏の話の中で、2015年の「トップディスラプター50」というのが紹介されていた。ディスラプター(disrupter)というのは、直訳すれば「破壊者」ということになろうか。最近の流行り言葉で、既存の世の中をぶっ壊すような破壊的イノベーションを生み出す起業家や企業のことを、ディスラプターというのである。

 

少し古い記事となるが、CNBCが発表した2015年のディスラプター50のリストはこれである。

Meet the 2015 CNBC Disruptor 50 companies

日本でも著名な企業がいくつも入っている。第6位はDropboxで、やや今更感があるほどだが、この企業こそ「クラウド」を世界にもたらしたパイオニアである。第4,5位はUberとAirBnB、今日では日本でも身近になりつつある「シェアリングエコノミー」の旗手だ。最近ではUberの広告が東京のGoogleMapでも表示され、AirBnBもfacebook上に日本向け広告を出しているようす。そして3位は燃料電池を開発し、電線不要、大規模発電所も不要のグリッドを作り出そうとしているBloom Energy。日本ではソフトバンクが出資して日本法人を立ち上げている。2位はイーロン・マスクが宇宙進出のために様々なチャレンジをおこなっているSpaceX。ISS目指しているのかと思ったら火星目指しているのね。。。

 

そして第1位が、Moderna Therapeuticsである。

・Moderna Therapeutics ってどんな会社?

一位がバイオ企業でモデルナ・セラピューティクス(Moderna Therapeutics)だと知らされた時、僕は思った。「どこだそれ」と。「知らないぞ」と。

 

しかし、この会社がDropboxより、UberよりAirbnbより、あまつさえSpaceXより破壊的イノベーションを起こすような企業だというのだ。そして、正真正銘のバイオ企業である。紹介文には、「病気と戦うために細胞のリプログラミングを行う(Reprogramming cells to fight disease.)」と書いてある。

 

リプログラミングとは文字通り初期化のことで、すごくざっくりいえばiPS細胞のような万能細胞をつくる技術である。iPS細胞(=初期化された細胞)をつくれば、そこから皮膚だろうが筋肉だろうが神経だろうがなんだろうがあらゆるものが作り出せるというわけ。

 

モデルナ社が注目したのは、messenger RNAだ。彼らは「薬になるmRNAを作る」というミッションを掲げて2011年から活動している企業である。創業年からすればまだベンチャーのような感じだが、すでに230名を雇用し、2015年中にさらに100人を雇用。日本円にして1千億円以上のファンディングが終了しており、4つのベンチャー企業を子会社として抱える。

▲messenger RNA ソリューションの解説。筆者は高校卒業以来初めてmRNAという言葉に接した。

 

具体的な方法論はもちろん明かされていないが、モデルナ社の技術はmRNAのもつ遺伝情報を書き換えることで、病気に対応するための任意のタンパク質を間接的にではあるが人工的に合成させる技術のようだ。つまり、人体の中で人間が思い通りのタンパク質を作り出せるという技術である。なんだか体がこそばゆいかんじがする。

 

モデルナ社はすでにAstraZeneca、Alexion、Merck、米政府のDefense Advanced Research Projects Agency (DARPA) との提携を行い、研究を加速させている。これは社会のディスラプトというより、人体、あるいは人間概念のディスラプトにも繋がるような衝撃的な技術であるようにも思われる。今後の展開から目が離せない(・・・と毎回言っている気がする)。

 

 

Writer:げ

 

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