進化を遂げる抗生物質

進化を遂げる抗生物質

進化を遂げる抗生物質

こんばんは。みゆです。

昨日あたりでしょうか、Y⚪︎ho⚪︎!ニュースで
「どんな抗生物質にも耐性を持つ最強の菌」がアメリカで発見されたという記事を読んで非常に驚きました。ついにこの時が来たか、と。

微生物も必死に人間に対抗してきますし、本能的な生体防御システムで菌の性能が随時アップデートされます。人間が知識を溜め込んで、最強の菌に関する様々な謎をどうにかこうにか解明しようとしても生物の生存のためにとられる措置のスピードにはかなわない気がしてなりません。人間が10年ほど費やして解明したところで、また新しい耐性菌が出てくることもあるわけで、いたちごっこです。

新しい技術を発明した、という輝かしい業績も結局既存の技術ありきで
重箱の隅をつつくように”穴”を探すんですよね。飽くなき探究心・執着心があれば私たちは”穴”まで誘導してもらえるわけです。

最新技術で、これまで分からなかったものを知ることができるのは本当に知的好奇心が満たされる活動です。また、こうして見つかった新しい知見は、いずれ実際に私たちの生活に還元されるわけで、決して研究者を批判する気持ちはありません。
ただ、研究者は原始的な生物に支えられて成立しているんだなぁと、改めて考えさせられます。彼らが人間のために問題を作ってくれていて、人間は彼らにはない脳を駆使して一生懸命謎解きをしているんですね。謎が解けたら人間は堂々と誇示するわけです。

…………なーんて、そんな私は研究活動が好きなので普段はこんなことをあまり考えず、目の前の謎を早く解くことばかり考えてます。優秀な研究者の方々のように業績を上げられたらなーと若干(?)呑気に構えて5月を終えようとしています(笑)

なんだかんだで、最新技術や新しいアイデアは私たちが生活するためには必要なので
今回は抗生物質に関する最新の知見をご紹介しますね。(タイムリー!^^)
(要旨しか見られていないのでとっても短くなります、ごめんなさい。。。)

2016年5月19日にNatureからpublishされたフレッシュな論文なのですが、
マクロライド系抗生物質、というマイコプラズマをはじめとした様々な疾患に広く用いられている抗生物質群の合成法を新たに検討しています。

副作用の少ない抗生物質として知られており、その汎用性が大きなメリットであるマクロライド系抗生物質。それゆえ、微生物も性能がどんどんアップデートされており、この抗生物質群に耐性を持つ微生物が増加しているそう。

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そこで、そもそものマクロライド系抗生物質の作り方から考え直しているのがこの論文。
これまで用いられてきたものは、「半合成」という方法で作られていました。
半合成とは、天然に産生される物質に少し手を加えている方法です。

今回論文で発表しているのは、「全合成」のマクロライド系抗生物質の開発成果。
天然由来の物質を1から人の手で合成して作っています。
これにより、半合成では作ることのできなかった構造の抗生物質を生み出すことができました。新たに300ほどの抗生物質候補が生み出されており、その効果も殆どのもので見られたそうです。

なにより、マクロライド抗生物質群に耐性を持っていた菌に、新しい構造の抗生物質が効いたという結果も得られているのが最大の成果です。

この成果もいたちごっこ感は否めませんが、しばらくはこれで現状の応急処置ができるでしょう。
人間が作ったものに対しては微生物は対処することができますが、微生物自身で何段階ものアップデートをすることはできないはずです。

マイコプラズマなど、最近になって罹患者が増えてきた病気に対して新しく抗生物質候補が増えたことは非常にありがたい成果だなと思います。

もし興味がある方は以下のリンクから見てみてくださいね!

今回ご紹介した論文はこちら:Nature

Writer:みゆ

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