【謎肉】人造肉、イギリスでついに生み出される【食べ放題】

【謎肉】人造肉、イギリスでついに生み出される【食べ放題】

【謎肉】人造肉、イギリスでついに生み出される【食べ放題】

イギリスで研究開発された人造肉のニュースをご紹介したい。その前置きに、ちょっと漫画の話を。

 

手塚治虫といえば、押しも押されもせぬ漫画の神様として知られており、『赤い鳥』『鉄腕アトム』など、たくさんの作品が時代を超えて読み継がれている。彼の最も素晴らしい作品は? と聞かれたら、きっと悩む人も多いだろう。

 

個人的には、手塚治虫の最高傑作は『ジャングル大帝』であると思っている。国籍や種族、科学や文化を超えてあらゆる者たちが手を取り合い、それぞれの目的のために力を尽くす、感動的な物語だ。

 

物語の初盤では、ジャングルに生息する動物たちの間で肉食が大きな問題となっている。肉食動物が互いに争い、殺しあうことなく生きていくことができるようにするためにはどうしたらいいか。そこで、「人造肉」の話が出てくる 。

 

「人造肉」を生み出そうとしていたのは、『ジャングル大帝』の登場人物の一人、科学者であるアルベルト。いつか、あらゆる生物が、殺しあうことなくお腹いっぱい肉を食べることができる世界を夢見て、 人工的に肉を生み出す技術を研究しているのだ。

 

しかし、どうやら今日においては、「人造肉」というものが遠い未来の夢の技術によって生み出されるものではないらしい。ドイツの研究チームがこのほど発表したところによれば、僕らは5年後に人造肉を食べられるようになるという。

 

2020年の食卓には、「研究室」産ハンバーガーが並んでいる

この研究チームは、2013年に215,000ポンド(およそ4千万円)をかけ、食べることのできるミートパテを作り出した。

 

どうやって? フレッシュネスバーガーのハンバーガーに入っている肉と同じような形のガラスの皿が研究室にはある。そう、シャーレだ。牛の筋肉組織から幹細胞を取り出し、シャーレの中で培養する。6週間も培養すれば、幹細胞は筋繊維となる。そのような筋繊維を2万個集めてよく捏ねれば、人造肉の出来上がり、というわけだ。

 

この技術は、 培養肉技術を開発したオランダのマーストリヒト大学において10月18-20日に開催された「第一回国際培養肉シンポジウム(First International Symposium on Cultured Meat)」において発表された。培養肉の発表に先立ってBBCで放映された紹介番組には大きな反響があり、さまざまなメディアに取り上げられている。ちなみに、2013年に初めて人造肉技術が公表された時もBBCで報道されたが、その時はイギリス人でもマズいと思う代物だったらしい。今回はより実用的なフェーズに至っているようだ。

 

この技術を開発したのはマーストリヒト大学のマーク・ポスト(Mark Post)教授の研究室。教授は、この技術の開発におよそ7年を費やしたという。ポスト教授によれば、開発の動機は人類の食肉需要の増大にあるという。従来の畜産の方法では、増していく食肉需要に応えるために過大なエネルギーや水、そして土地が必要とされる。新技術は、このような課題を克服するための画期的な解決策となることを目指している。

 

培養肉技術を確立し、肉の品質を市場に販売できるレベルまで向上させるためには、さらなる研究が必要だ。そのために、このたび創業したのがモサ・ミート(Mosa Meat)社。この会社はポスト教授と同じくマーストリヒト大の研究者ピーター・バーストレート(Peter Verstrate)氏によって設立され、今後培養肉の市場化に向けて資金調達と雇用を行うとのことである。

 

一匹の動物も殺すことなく、研究室の培養によって生み出される肉。肉が肉のまま育ち、ステーキとなる。どこか違和感はあるものの、もし実現すればまったく新しく、革命的なバイオテクノロジーである。培養肉が僕らの食卓に上る日はそう遠くないうちに来るのだろうか。・・・あるいは、すでに僕らの食事に混ざっていたりして。

 

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〔参考〕

BBC News “Team wants to sell lab grown meat in five years

Daily Mail UK “Lab-grown burgers ‘will be on the menu by 2020’: Scientists set up company to make stem cell meat an affordable reality

More information: http://culturedbeef.net/

 

Writer: げ

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